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|  Maksim Nelioubin(ロシア)、1997年からドイツ在住
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ごみの学問
ドイツを訪れる人は、まず空港で最初の“ごみに関する知能テスト”を課せられます。ここですでに明らかなことは、分別できるものはすべて分別しなければならないということです。そのために、空港の建物には統一したデザインのごみ容器が設置されていて、これらはすぐ目に入ります。紙・アルミ缶・ガラス・その他のごみ用の4つのパートに分かれたこのごみ容器には、それぞれにシンプルなイラストが描かれているので、ドイツ語の知識の有無にかかわらず、どこにどのごみを捨てればいいかが一目瞭然です。このごみ容器の上には大きな灰皿が置かれていて、フライトの不安をニコチンで紛らわせようとするスモーカーのための喫煙コーナーになっています。
空港で、例えばジンの空き瓶とトニックウォーターのアルミ缶をきちんと分けて捨てて、最初のごみのテストに合格した人は、旅行を続けて次の難関に取り組みます。それは各市町村の廃棄物処理条例です。なぜこれが難関かと言うと、ドイツでは連邦州どころか市町村によって、条例が微妙に異なるからです。条例は似たものであっても、細部に“伏兵”が潜んでいるのです。
ごみの色彩論
この理論を学ぶいちばんの方法は、下宿の大家さんでも管理人でも大学の先輩でも誰でも構いませんから、ごみ処理の経験豊富なドイツ人に教えてもらうことです。ただし、これは色盲の人には向いていません。プラスチック、紙、金属包装材用に、それぞれ黄色、青、緑のごみ容器があるからです。茶色の容器は「バイオ生ごみ」用です。そして、ガラス用の大きなコンテナもあります。このシステムは空港よりさらに厳密で、ガラスは透明、緑、茶色の色別に分けなければなりません。また、コンテナにガラスを投げ入れてもよい時間が決められているので、それに違反しないように気を付けましょう。
私は一度、土曜日に空き瓶を捨てたことがあります。子供のころから、とことん大きな音をたててガラスを割るのが癖になっている私は、その時も空き瓶をコンテナの中に力いっぱい投げ込みました。すると、即座に誰かが窓から身を乗り出して私に、多分ドイツ語を読めると思うがどうかと、とてもフレンドリーに質問しました。私がこの質問にはっきりと「Ja(はい)」と答えると、この人は私に、空き瓶をコンテナに捨ててよいのは平日の午前7時から午後7時までであること、そしてこの規則がコンテナの上にはっきりと書かれていることを教えてくれました。「まったくドジなんだから……」と私は自分自身にあきれる思いで、騒音をたてたことをその人に謝りました。
粗大ごみのインテリア
ドイツの廃棄物処理システムがいかに複雑かということは、「ごみ計画表(Müllplaner)」を見るとわかります。ごみに関するさまざまな情報やスケジュールが記されたこのパンフレットは年に1度、各家庭に送られてきます。ここには、いつ、どこで、どんな廃棄物が収集されるかが記されています。最も興味深いのは、恐らく粗大ごみの収集日でしょう。洋服だんす、ベンチ、虫に食われたカーペット、便器、ラジオ、テレビなど、各家庭のごみ容器に収まらない廃棄物を何でも、決められた日に出せば、処理してもらえます。捨てたい粗大ごみは前日の夜のうちに家の前の歩道に出しておくと、翌日の午前中に市のごみ処理会社が回収してくれるのです。何も捨てる物がなくても、この期日はやはり重要です。というのは、粗大ごみを利用して、自分の住まいや部屋に足りない家具などを調えることができるからです。まだ完全に機能する物が手に入ることも稀ではありません。粗大ごみを利用するのを恥じることはないのです。捨てる神あれば、拾う神あり。世間でごく普通に行われていることなのですから。私は調度をすべて粗大ごみでそろえた学生の下宿をいくつも見たことがあります。
ごみとカーニバル
ドイツの廃棄物処理は法律で規制された、まじめに取り組むべき事柄で、規則を守らない人は処罰されることを覚悟しなければなりません。
とはいえ、例外の時期もあります。私が「第2の故郷」に選んだケルンは、カーニバルで有名です。カーニバルを祝う人たちが街頭に繰り出す「女たちのカーニバル(Weiberfastnacht)」やカーニバルが最高潮に達する月曜日「ローゼンモンターク」には、誰もごみ処理のことなど考えません。道路は、投げ捨てられて落ちたままになったごみでいっぱいになります。というわけで、伝統的なパレードの最後尾には清掃車の一隊が続き、ごみをすべて集めていかなければなりません。カーニバルではごみに関しても無礼講になってしまいますが、ケルンのカーニバルのような素晴らしい伝統行事はごみ処理とは別枠で育まれているのです。
Maksim Nelioubin
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